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家族のなかで「ルーツ」が意味するもの

複数のルーツを持ちながら日本で生活する人たちが、世代を超えて受け継ぎたいと思っていること、新たに築いていこうとするものは、いったい何なのか。家族の記憶から現在の自身につながる手がかりを、インタビューを通して語ります。

ある家族が国を渡って新たな土地で根を下ろすとき、親と子が互いに、異なる環境と文化の中で育つという事実に向き合うことになります。 社会の常識や教育のスタンダードががらりと変わる状況下で、新たな形を模索しながら生きていく。 親しみ、無関心、拒絶、無いものねだり、追慕… あらゆる感情が複雑に絡み合い、その過程すべてが個人のアイデンティティの一端を形づくります。 親はさらにその親から受け継いできたルーツがあり、子はさらに次の世代へ残したいと思う価値観があるのでしょう。 一方でもしかすると、文化と時代の隔たりによって、伝えようとしたけれど言えなかった思いもあるかもしれません。 ここでは、複数のルーツを持ちながら日本で暮らすさまざまな世代の人たちを取材し、インタビューを通して家族と自身のアイデンティティの関わりをたどっていきます。

プロジェクト企画・製作者: 戈 文来(Wenlai Ge)

2022.01.27

インタビュー#3「強引にはしたくないけど、娘がどこから来たのかを、ちゃんと伝えたいですね」

アイルランド出身の両親のもとに生まれ、大学を卒業するまでイギリスで育ったDavidさん。
その後、日本人の奥さんとの結婚をきっかけに来日しました。
娘さんは現在小学生。周囲の環境とともに彼女自身がどう変化しているのか、成長を見守りながら感じたことを語っていただきました。



――Davidさんは、イギリスのご出身ですよね?

David そうですけど、実はもうちょっと複雑ですね。両親はアイルランド人です。父さんの仕事が理由で引っ越してきました。私はイギリスで生まれ育って、イギリスとアイルランドの両方の国籍の権利があります。でも、アイルランドのパスポートしか持っていないです。スポーツとかに関しても、応援するのはアイルランドですね。

――Davidさん自身の気持ちとしては、アイルランドの文化のほうがより近しいというか、親密に感じるんですね。

David そうです。心の中では、アイルランド人です。アイルランド人はイギリス人よりも優しいというか、フレンドリー。

――イギリスで生まれ育ったDavidさんが、自分はアイルランド人だと感じるのはどうしてだと思いますか?ご両親がアイルランドの伝統や習慣の中で生活していたからでしょうか。

David イギリスとアイルランドは同じ言語が使われてますけど、文化的には全然――まあ、全然というほどではないですけど、ちょっと違います。私は若いときに毎週日曜日に教会でカトリックのミサに参加していました。イギリスでもカトリックの人はいますが、珍しいです。また、私の両親の発音と言葉はイギリス人とは異なります。なので周りのイギリス人からは、私はアイルランド人と見なされました。でも、アイルランドに住んでいた親戚から見ると、私はイギリス人だと言われます。

――兄弟はいらっしゃいますか?

David 姉と、双子の妹。4人きょうだいです。

――日本に来ようと思ったのはいつですか。

David 大学を卒業してから、基本的にずっとテレビゲーム業界で働いていましたので、もちろん日本について前から興味はありました。当時は、日本のゲームは欧米でもすごく流行っていました。
あるゲームの開発会社で、今の妻に出会って結婚して、私が日本語を勉強するために来日しました。あと思ったのは、子どもが生まれたときに、日本で漢字とアルファベットは勉強できるけど、イギリスで漢字の勉強は難しいなと。だから、最初は日本がいい。漢字ができるようになって、もし本人に興味があれば、その後に欧米に引っ越すことはできると思ってました。

――日本に行くと言ったとき、ご家族はどんな反応をしていました?

David 私の父さんがイギリスに行ったのも、たぶん同じくらいの年齢でした。アイルランドとイギリスは距離が近いですが、そのときは飛行機の値段が高かったので、船で12時間かかったんです。だから実際は、私が日本に飛行機で来るのと同じような感覚です。

――なるほど、着くまでにかかる時間を考えると、同じくらい遠い場所だったんですね。

David そのときは、父さんは母さんに手紙よりも声を届けたいと思って、テープレコーダーに自分の声を録音して、郵便で送ってました。今は、ZoomとかGoogle Meetsで簡単に話すことができますけど。両親は私と同じ経験をしているので、日本に行くと言ったときも、まあ仕方ない、という感じでした。

――そうなると日本に来るときには、長期滞在の可能性もあると考えていたのでしょうか。

David 来日した時は、将来はどうなるかは全然わからなかったです。まだ日本語ができなかったので、ずっと仕事があるかどうかも。日本語を勉強しながら最低2、3年は過ごして、後のことはその時に判断しましょうか、という程度でした。子どもが生まれてからは、日本に住み続けたいと思いました。今もそうです。永住権を持っていますし、家もあります。

――家族といる生活を考えると、やっぱり日本で暮らし続けたいということなんですね。

David 娘もいるし、私も日本の文化に慣れましたので、今イギリスに戻ったらいろんな面倒くさいことや摩擦があると思いますね。

――Davidさんから見て、ご両親はどういう人だと感じますか?

David やっぱりアイルランド人ですね。アイルランドとイギリスの文化は大阪と東京に似ています。アイルランド人はすごく優しくてフレンドリーですし、知らない人にもあいさつする。
例えば私の父さんが日本に来たときに、朝ごはんを食べに空港からジョナサンに行ったんですね。たぶん、朝7時半ごろ。ちょっと広いお店で、他に2、3人くらいお客さんがいました。全く知らない人なのに、父さんが”Good Morning.”と言っていました。すごく温かいですね。

――お母さんは、どうでしょう?

David 同じくらいフレンドリーですけど、ちょっと独特ですね。MMDという神経の重い病気なのに、すごく頑張っています。今は話すことができなくて、体も動かせないので、厳しい生活になりましたけど、いつも笑顔です。そんな人ですね。

――ご両親が話したことで、印象深い言葉は?

David 思いつかないですけど、前回イギリスに行ったときに、母さんは“Life is confusing.”と言っていました。その通りだと思います。

――「こういう大人になってほしい」と言われたことはありますか?

David 特にないですね。“All you can do is try your best.”とよく言われましたので、私も娘にその気持ちを伝えたいですね。

――ご自身のなかでルーツをどんなふうに感じているか、絵に描いてみていただけますか?

David これはshamrock〔シャムロック〕で、アイルランドの代表的なエンブレム。クローバーのようなものです。 茎から葉っぱまで、ちょっとだけ赤いのはイギリス。外側の葉っぱの青い部分は日本。緑はアイルランドですね。位置はあまり関係ないですが、左から右に文字を書く文化なので、なんとなくこの順番にしました。生まれ育ったのはイギリスですけど、心の中ではアイルランド人。でも、今は日本人でもある、という感じです。

――Davidさんの中では、それぞれ切り替えていますか。それとも、混ざってるなと思います?

David うーん、混ざってますね。ある時には、自分はアイルランド人だと感じますけど、イギリスで生まれ育ったので、イギリスの政治についても興味はありますし、友達もいます。だからすごく、混じっていますね。

――では、今のご家族について聞いてみたいと思います。お子さんは、娘さん一人?

David 一人っ子です。実は、IVF(体外受精)で4年かかったので、すごく難しかったですけど。可愛がっています。

――うちも体外受精でした。だから、妊娠が分かったときは、とても嬉しかったです。今は何歳ですか?

David 8歳ですね。

――奥さんとの間では、どの言語で会話していますか。

David ずっと英語。あまり上達しなかったこともあり、私が日本語を使うと妻が面倒くさがるので。娘と話すときはいつも日本語ですけど、妻が「なんで日本語?英語を使ったほうがいい」と言います。

――奥さんがそう言うのは、娘さんに英語ができるようになってほしいからでしょうか?

David そうですね。けど、英語で話すと、娘は私の言ってることが分からない。彼女が英語を勉強するよりも、父親の私とコミュニケーションすることのほうが大事だと、個人的に思います。
娘は幼稚園時代から、ちょっと目立っていたんです。本人は、それが好きじゃなかった。例えば、幼稚園では園長先生からいつも「かわいいねー」とか。もちろん、日本人にとって可愛いというのは良いことです。でも、彼女にとっては自分はまわりと違う、日本人じゃないから、とちょっと悲しい気持ちになるんです。また、小学校に入ると年上の生徒たちから可愛いとか、人形さんみたい、って言われて。それで、娘は縮こまっていました。

――居心地の悪い感じがしたんですね。

David そう。「私は違う」と彼女は思って、そのときから英語について興味がなくなりましたね。最近は新しい学校に入って、そこで英語が使われているから、また興味をもつようになりました。でも私の前では、英語を使いたくない。失敗だらけの英語を話したくない、そんな雰囲気ですね。

――学校が変わったというのは、普通の日本の公立の小学校ですか?それとも、インターナショナル・スクールのようなところに?

David 幼稚園のときは、普通の日本の幼稚園で、その後は近くの日本の小学校でした。娘はSelective Mutism〔選択性緘黙〕で、ある場面とかある状況で話すことができない。基本的には知っている人とだけ話すことができます。例えば、今は空手に通ってますが、先生と話すことはできない。実は先生が大好きなんですけど。
なので、山梨にある特別な学校に転校することにしました。特にカリキュラムが無くて、授業は生徒たちが内容を決めることができます。より自由な環境であれば、Selective Mutismの娘に良い影響があると思いましたので、学校に通うために妻と娘は山梨に引っ越しました。

――そうなんですか。今は離れて暮らしているんですね。

David そう。毎週末に会っています。学校が変わってから、だんだん話すことができるようになっています。空手の先生とは以前から続いている関係なので、まだ難しいですけど、今は山梨の友だちとの間では、すごく自由に話すことができるようになりました。

――なるほど、本当に良い影響が表れているんですね。

David その学校は、いろんな生徒たちがいます。ハーフとか。日本人の生徒でも英語が使われているので、娘もそこまで目立つわけではないと思います。今までとは、雰囲気がちょっと違いますね。

――幼稚園や前の小学校で、周りから目立つことに対してあんまりポジティブじゃなかった、と先ほどおっしゃっていましたが、娘さんは具体的にどんな言葉でそれを表現していましたか?

David 言葉よりは、態度ですね。かわいいとかお人形さんみたいと言われたとき。あとは、初めて行く公園とかでまわりの子がすごくにらんでいて、あれ誰?と言われると、体が縮こまります。

――ぐっと、体が固くなる感じですね。

David しゃべれないことに関してよく話しましたけど、彼女には理由がわからない。あるときに、空手の友だちが「なんで話すことができないの?」と聞いても「わかんない、難しい」それだけ。
Selective Mutismはバイリンガルの家ではそんなに珍しくない、と前に調べたときにたくさんの記事で見ました。

――Davidさんとしては、娘さんが英語でコミュニケーションしてくれるようになったほうが、ご自身の伝えたいことを直接的に言えるので、嬉しいでしょうか。

David そうですね。ある日一緒に散歩したときに、すごくわかりにくい話がありました。ちょっと待って、これは人の名前?学校の友だち? 実は、最近のアニメ、あの…『鬼滅の刃』のキャラクターの話でした。それがわかるまでは「生徒が刀を持って?」とすごくびっくりしました。だから、もし共通の言語があれば、そっちのほうがコミュニケーションは取りやすくなりますね。

――そうですね。ただ、アニメやマンガの話は、バイリンガルの家庭でなくても親が「なに言ってるか全然わかんない、ついていけない」ということはある気がします。

David そう。子どもは本当にあるもののように話していますからね。最近はディズニープラスで、『ズートピア』や『グレイテスト・ショーマン』を見るときは、英語のほうがいいと言います。歌が英語なので、じゃあ英語にしようか、と。なので、だんだん興味は出てきていると思います。
言語の勉強については、心理的なことも含めて、環境によって大きく影響します。私が欧米で日本語を勉強したときに、Stephen Krashenという専門家の理論で「もし環境がよければ、言語を学ぶのは比較的簡単」と書いてあるのを見ました。
私の日本語がまだまずい理由は、まだ勉強しているときに妻に日本語で話してみたら、「面倒くさいから英語使って」と言われたからです。なので、10年経った今でも全然自信がないですね。
娘にとっては、英語を使うとさらに目立つという心配がありましたが、今は解決しましたので、これからは勉強することになると思います。

――Davidさんと奥さんは、娘さんの教育についてよく話し合ったりしますか?

David うーん、話しますけど、私はいつも妻に負けますね。よくけんかをしますが、私はけんかが好きではないので、違う意見があると、まあ…

――「どうぞ」って?

David そうそう、そんな感じです。

――日本とイギリスとで、教育や子育てのやり方が違うなと思うことはありますか。

David イギリスでは、友達と家族はすごく自由に交流しています。日本だと、家に招待するのはちょっと珍しい。なので、欧米のほうが友達と時間を過ごすのはより簡単ですね。

――なるほど。それはなぜでしょう、気をつかいすぎている?

David うん、そうですね。なので妻は、イギリスに戻るとストレスがたまっています。私の家族は、兄弟4人と子どもたちが集まると15、6人くらいになります。私も、今はそんなことに慣れていないので、娘も大人になるとそういう状況にストレスがたまると思います。人が少ないと、リラックスすることができますけど。一方でアイルランド人は、人数が多いとリラックスできます。日本人はちょっと違いますね。

――アイルランド人は大阪人っぽい、という先ほどのお話を聞いて思い当たることがあります。私の母が上海の出身なのですが、北京の人と比較すると上海人は大阪人っぽいと言われるんですね。なので、少しわかる気がします。そこまで遠慮がないし、親戚もだいたい近所に住んでいるから何かあったらすぐに集まります。いつも麻雀している印象がありますね。

David そう。遠慮をしない、というのはいい表現ですね。

――ご家族にまつわる、思い出の品はありますか?

David レゴです。娘と一緒にレゴを作るのが大好きですね。最近はこれを作りました。

――わ、すごい!これは、大作ですね。

David これはアメリカの番組のレゴセットですけど、私がこれを作ったあと、先週末ここに戻った娘が泥棒とそれを追いかける警官のシーンを付け加えました。すごく面白いと思います。

右下にあるのが、パンを持っている泥棒と追いかける警官

――家族とのつながりを強く感じるのは、どういう時でしょうか。

David 両親と姉妹とつながっていると思うのは一緒に飲みながら話すとき。娘とつながるのは、一緒にゲームを遊ぶときです。

――Davidさんがご両親から受け継いだもので、今のご家族に伝えていきたいものはありますか?

David 英語がもしわかるようになったら、両親のことと、両親の文化に関してちゃんと伝えたいです。特に母さんの残された時間はあまり多くないと思いますので。前まで、娘に毎日手紙を書いたほうがいいと思っていましたが、COVID-19のせいでやる気がなくなりました。でも、機会を見つけてちゃんと書きたいです。娘にも遺伝子が受け継がれていますから。
娘が生まれたのは、私としては本当に奇跡ですね。この世界で、日本で生まれた人と、イギリスで生まれた人が偶然に出会って、結局4年間IVFを頑張って生まれたので、娘のことはすごくすごく大事です。そんなことを伝えたいです。この生涯にどのような意味があるか、まだ分からないですけど、彼女がどこから来たのかを、ちゃんと伝えたいですね。

――娘さんは、イギリスのおじいちゃんおばあちゃんに会ったことは?

David 2回か3回、イギリスに行ったことがあります。ただ妻の実家がすぐ近くにあって、日本のおじいちゃんとおばあちゃんとはもちろん普通に話せますが、私の両親にはちょっと慣れてないです。毎回行くとき、最初は恥ずかしそうですけど、帰る前には打ち解けています。

――娘さんにとっても、イギリスのお家は居心地のいい場所なんですね。

David 食べ物は慣れてないですけど、家族と一緒にいることは楽しんでいる感じですね。

――娘さんに伝えたいと思っているのは、アイルランドの文化と、おばあさんにあたるDavidさんのお母さんの人生のことだったり、価値観…言葉にするなら、他にはどんなものがありますか?

David まあ、そのあたりのことですね。文化とか。あとは例えば、前にアイルランド対日本のラグビーの試合があったときに、私は娘に「あなたはアイルランド人だよ」と言いますが、彼女は「アイルランド人じゃない。日本人」と言います。でも、日本人だけじゃなくて、アイルランド人でも、イギリス人も彼女の中にある、ということ。それを伝えたいです。

――そうですね…。私の息子は生まれて2ヶ月なのでまだ何もわかっていないですけど、中国人としては私は育ってきたよ、というのはいつか伝えたいなと思います。

David うーん、簡単ではないですね。

――簡単ではないですか(笑)

David 前の職場のフランス人の友だちは赤ちゃんが生まれて、「専門家の本も読んだし、子どもにはフランス語と英語と日本語をちゃんと教える」と言っていました。そのときは家に同僚4人で集まって、みんなハーフの子どもがいるんですけど、他の3人はお互いに顔を見回して「うん、まあ、頑張ってね」と言ってました。もちろん専門家の理論を読むと、ああこれは簡単とか、これはやりましょう、と。でもそれほど簡単ではないですね。環境によります。日本の幼稚園や小学校は良いと思ってたんですけど、娘の性格の問題にぶつかりました。他の子が同じようにハーフであれば、それが良い環境になる可能性もあります。人が環境にぶつかったとき、結果はどうなるか想像できないです。出た結果に反応するしかないです。

――今の時点では、娘さんは「自分は日本人だ」と言っているとのことですが、もっと大きくなって、もし「自分はなに人なんだろう?」ともう一回悩むことがあったとしたら、どういう言葉をかけますか?

David 実は、そういうことはすでにちょっと起きています。私の母さんの先祖はたぶん2、3百年前にフランスからアイルランドに移ってきたんですが、山梨で、そのときのフランス人に関するテレビ番組を娘と妻が見ていました。妻が私の母さんにちょっと打診して、母さんがそのことについて娘に手紙を書きました。それで、娘は新しい学校で最近自慢げに「私はフランス人です」と言っているみたいです(笑)

――じゃあ、自分のルーツに興味を持ち始めているんですね。

David そうですね。興味があれば、教えたいです。でも、強引にはしたくない。本人が知りたくないときだと、無理にやろうとしても悪い影響があるはずなので。

――Facebookの投稿を見ていると、Davidさんが娘さんをすごく大切にしていることが伝わってきます。それに娘さんも、本当にのびのびとしている様子で写真に映っているので、私も見るのが楽しみなんです。

David これから楽しい日々がくるはずですね。今はもちろん難しい部分もありますけど。あるとき私の妻が、ずっと2歳のままでいてくれたらいいのに、と言っていましたが、私は彼女の成長が好きです。特に私は、いつも週末に会っているので、毎日時間を過ごしている妻よりも成長がわかりやすいと思います。

――娘さんには、どんな人生を送ってほしいと思っていますか?

David なんでもいいです。大学に入ることを考えると、たぶん今の学校はそれほどよくないですけど、私も自分が入った大学は今の仕事と関係ないです。大切なのは人間関係だと個人的に思いますので。娘はなんでもやることができると思います。選手でも、アーティストでも、なんでも。もし何かやりたい場合には、いつでもどこでも応援してます。それを本人にわかっていてもらいたいですね。

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企画・製作者

戈 文来(Wenlai Ge) [企画・インタビュー]

1988年生まれ、在日中国人二世。5歳から8歳まで祖母のいる上海で暮らす。 現在はIT企業でアジア向けの事業開発を担当するかたわら、舞台作品の演出やアートプロジェクト、演劇ワークショップの企画に携わっている。